リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜


だけど、どうしてなのかはわからない。



「えっ?仕事?」

「……うん」

「随分急ね?」

「…うん」


翌朝の食卓で交わす、母との会話。

眠りにつく前は、絶対に行くもんか!なんて荒ぶっていたけれど。

どうしてなんだろう。目が覚めて落ち着いて考えてみると、何故か自分の考えが変わっていた。


私は少し、強くなったのかもしれない。

あのワンピースが着られたことで、よくわからないけど多少の自信がついたみたいだ。


なんの社会勉強だかは知らないけれど、もしかしたら部長は予定がないとかある人が羨ましいなんて嘆いていた私を気遣って、あんなことを言ってきたのかもしれないな…なんて。

部長との帰り道を思い出すと、そんな風にも思えてきて。


「でね、一泊するかもしれないから、キャリーバッグ貸してほしいんだ」

「あら、出張⁉︎」

「うん…まぁ、そんな感じ、かな?」


私は母にキャリーバッグを貸してもらえるようお願いした。

すぐに借りることが出来た。

それから部屋に戻って必要なものを詰め込んだけど、一泊の荷物の量がよくわからなくて、最初に母に借りたキャリーバッグでは荷物がおさまらなくなってしまった。
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