リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
結局父のキャリーバッグに変えたことで荷物はなんとか入れることが出来たので、私は予定の14時に遅れないよう正午を過ぎると早めに家を出ることにした。
部長に言われた通りシャイニーのワンピースを着て、母が若い頃に着ていたというスプリングコートを羽織り、荷物を持って玄関に向かった。
だけど靴だけは探してみてもどれもパッとしないものばかりで。
母の靴を借りようかとも考えたけど、23センチの母の靴は頑張って履いてみても窮屈だった。
その結果、私は結局いつも仕事用に履いている黒の太いヒールのパンプスを履くことにした。
「一体何が入ってるの?その中」
だけど家を出る直前、母がクスッと笑いながら私にそう聞いてきた。
「何って…いろいろだよ?」
「ふふっ、いろいろね。まぁ、気をつけていってらっしゃい」
「はーい!いってきます」
どうして笑っているのかわからなかったけど、笑顔の母に見送られながらキャリーバッグを引いて歩き出した昼下がり。
雲ひとつない青い空と、頭上から照りつけてくる太陽が眩しくて、空を見上げながら目を細めた。
なんだか心も晴れ晴れだ。
良い一日になるような…そんな気がしていた。
……まだ、この時は。