リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
エントランスを抜けると、何故かフロントには向かわずにホテルマンはエレベーターに向かった。
チェックインもしないまま部屋に向かうの?なんて不思議に思ったけれど、部長も青山さんも相沢さんも何も言わずにエレベーターに乗り込んだので私も黙ってあとをついていった。
エレベーターは、静かに26階に到着した。
ぞろぞろとそこから降りると、二人のホテルマンがそれぞれ二手に分かれ、片方は部長と青山さん、もう片方は私と相沢さんに声をかけてきた。
「相沢様のお部屋は2616室で、大月様のお部屋は2618室でございます」
ホテルマンはそう言うと、私と相沢さんにそれぞれキーを渡してきた。
「五分後にお部屋に伺いますので、どうぞお寛ぎになっていてくださいませ」
「あっ…はい…」
一礼するホテルマンさんに私も慌ててお辞儀をした。
「じゃあ真琴ちゃん、またあとでね」
相沢さんはそう言うと、一人で先に廊下を歩いていってしまった。
「…室でございます」
後ろでは、部長たちも同じように部屋のキーを受け取っている。
そしてホテルマンが立ち去ると、私に気付いた二人がこちらへと近付いてきた。
「真琴ちゃん、部屋どこだった?」
青山さんがそう聞いてきたので手にしていたキーに視線を落とした。
「にっ、2618室です」
「あっ、じゃあ友樹の隣だ。ちなみに俺は2622」
「…そうなんですか。っていうか、こんな高級そうなホテル、泊まったことないんで心臓バクバクしてるんですけど…」
「ははっ、一人が心細かったら俺んとこ一緒に泊まる?」
「はっ、はい!?いっ、一緒になんてそんな!絶対無理です!」
驚きのあまり、思わず出てしまった大きな声がホテルの廊下に響く。
「声でけーっつーの。とりあえず部屋入ってみろよ。ここはまあまあ景色もいいぞ」
部長はそう言うと、私と青山さんを置いて歩きだしていく。
「一人が寂しくなったらいつでも言って。俺が真琴ちゃんのとこ行ってもいいし」
「けっ、結構です!大丈夫です!一人で」
慌ててそう返すと私もすぐに廊下を進み、部長が入っていった手前の部屋番号、2618を確認すると一人で部屋の中に入った。