リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
いや、もうすでに遅かったようだ。
どんどん視界が滲んでいく。
気を抜いてしまったら今にも涙がこぼれそうだった。
だけど。
「何泣きそうになってんだよ」
とても冷静な声が私の緩んだ涙腺を止めていく。
「つーか、どうせ泣くなら変わってからにしろよ。悔し泣きとかつまんねえことするよりも嬉し泣きすりゃいいじゃん?」
そして優しく聞こえてきたその言葉に、キュッと唇を噛み締めた。
「……本当に私…変われるのかな」
今までだって何度も変わろうと努力はしてきた。
数えきれないくらいのダイエットにも励んだし、絶食したり、デブを変える100の法則とかいう本を読んでそれなりに実践したり、出来る限り頑張ってきた。
…でも、私は自分に甘かった。
辛いことからはいつだって逃げ出してきた。
健太がこっちにいなくなってからは…特に。
「だーかーらー、俺に任せとけって言ってんじゃん。真琴が本気なら俺は絶対お前を変えてやるって。そのかわり」
「…そのかわり?」
「俺も仕事だし、やるとなったらきっちりやらせてもらう。
もちろんうちのジムに入会してもらって通ってもらうし、鬼だのなんだのってよく言われることもあるけど、お前にも贔屓はしない。
でもな?真琴」
健太はそう言いながら私の目を真っ直ぐに見つめた。