リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「部長は私に、いろんな魔法をかけてくれました!私のやる気を起こした冷たい魔法、ムカつくぐらい厳しい魔法…でも、こうして優しい、温かい魔法も、ちゃんとかけてくれました」
パンプスに視線を落とし、もう一度部長の方に目を向けて頭を下げた。
「礼を言われるようなことをしたつもりはない」
だけど、無愛想は相変わらず。
「それよりお前はさっきの俺の忠告を聞いてたのか?お前みたいな恋愛経験ゼロなやつは変な男にコロッと騙されるぞって言っただろ」
いちいち口うるさいし。
「こんなもん必要ない。貸せ」
何故か必要ないと、一方的にさっきの人の名刺を奪ってくるし。
勝手で、おかしな部長だけど。
「ったく、大樹が俺に電話してこなかったら、どうなってたかわかってんのか」
「青山さんが電話?」
「会場からおまえの後を追いかけていった奴がいるって電話があったんだよ。だいたい隙だらけなんだ、おまえは」
心配して、エレベーター前で待っててくれたのかなって考えると、不思議な気持ちで胸がいっぱいになっていく。