リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
部屋に入ると、ため息をつきながらベッドに腰掛けた。
カーテンを開けっ放しにしていたから、夜の大阪の景色が一望できた。
遠くに見えるたくさんの明かりがキラキラしていて、なんだかとても綺麗だった。
と、その時だった。
部屋のテーブルに置きっ放しにしていた携帯が震え、私は腰掛けていたベッドから立ち上がりそれを手に取った。
…健太?
それは、幼なじみの健太からの着信だった。
「もしもし?」
「あ、真琴?今大丈夫か?」
「うん」
健太とこうして話すのは、気まずい雰囲気で別れた駅からのあの帰り道以来だ。
「おばさんから聞いたけど、大阪出張だって?」
「うん、まぁ…」
「そっか。もしかして、友樹さんも一緒?」
「えっ………あぁ、うん…」
「そっか。あのさ、俺、真琴に言わなきゃいけないことがあって」
えっ?
「避けるような真似してごめん。言わずに後悔より、言って後悔する方が俺って感じだし、とりあえず言わせて」
「うん…」
「俺、真琴のこと好きなんだ。自分でもよくわからない感情で、女としてなのか、幼なじみで、家族みたいな好きなのかもよくわかんねーんだけど」
「…うん」
「おまえが今誰に惹かれてるかはわかってるし。だから、言って自分の気持ちをスッキリさせて整理しておきたかったんだ。じゃなきゃずっと避けてしまいそうだったから」
健太はそう言うと、電話の向こうで笑った気がした。
「とりあえず、今ので俺の話は終わり。だからおまえが悩んでる時は話聞くし。辛いことあったら笑わせてやるし。また太ったら、ダイエットにも付き合ってやるし」
「…健太」
「てか、今もなんかあった?元気ねえじゃん」
健太にそんなふうに聞かれると、思わず甘えが出てしまいそうになる。
でも、いつまでも頼ってばかりじゃダメなんだとこの時やっと気がついた。