リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「じゃあまた明日な!」
健太はまだまだ夜まで仕事が残っているとかで、忙しそうに受付カウンターの奥へと消えていった。
それから私もすぐにシャワーを浴びて、初めてのジムをあとにした。
家までは、電車で7駅だ。
乗り換えもないし、そこまで混んでる時間帯でもない。
疲れ切っていた私は、電車に乗り込むとすぐにキョロキョロと座席を見渡した。
だけど座席はほぼ埋まっているし、空席があっても小柄な女性が座れる程度の幅しかない座席には、巨体の私ではどう頑張っても座れそうもなくて。
ドアの入り口付近に立ち、発車した車内から移り変わる景色をただジッと眺めていた。
「はぁっ」
疲れたなぁ。
ぼんやりと遠くを見つめながらため息をついた。
でも、とりあえずは健太のプログラムはこなせたわけで。
一日目にしては上出来じゃない?
不思議な達成感。
提示されたものをやりきるって、意外にスッキリするものなんだな。
なんて思っていたその時。
視界に入ってきた大きなビルに、私は一瞬で目を奪われた。
青山商事の、大きな大きなビルだった。