クールで不器用な君。





気付けば保健室に着いていいた。




ここまでの道のりの記憶が朦朧としている。




「先生、居ないね。とりあえずベッドに。」




奥にあるベッドに横になると立っているときよりは楽だった。




「熱かな…?」




そういっておでこを触ってくる。




それだけでドキッとしてしまうのはもはや病気に違いない。




「熱い。ちょっと待て、念のため体温もはからなきゃ。」




手渡してきた体温計をわきに挟みしばらく待つ。




ピピピッ




となった体温計を取ると山瀬さんに渡す。



「何度?」




「38.5度……。七瀬くん、これは帰った方がいいレベルだよ!?」




「はぁ……。でも俺だけ帰ったところで誰が看病するわけ?」




「それは……。」



目を泳がす山瀬さん。



「冷えピタもってくるね!」




「ダメ。」



裾を掴み行くのを阻止すると山瀬さんも止まった。




「でも。」




「ここに居てよ。」




「うぅ……。20秒だけ待って?」



「……わかった。」



< 104 / 269 >

この作品をシェア

pagetop