クールで不器用な君。


あ、そうだ。



荷物って教室だよね。



取りにいかなきゃ。



でも、今って授業中?




すると、タイミングよくチャイムが鳴り、私は教室へ行った。




少しざわめくなか、七瀬くんの鞄と自分の鞄を取る。




「瑠璃、七瀬どうしたの?」



「熱…かな。先生は夏風邪だー。って言ってた。」



「それで帰らせるわけか。まぁ、とりあえずお大事にって、言っといて。」




「うん、分かった。じゃあね。」




教室を出ると、これまたばったり雄太くんに会う。



「帰るのか。あいつ風邪か?珍しいな。あいつが羨ましいわ。瑠璃ちゃんに看病してもらえるなんてよー。ま、お大事にな。」



てをひらひらさせ去って行った。



そのまま保健室へ行くと七瀬くんは起きていた。



眠り、浅かったのかな。



「七瀬くん、帰ろう。」



「ん。」



「立てる?」



「大丈夫。」



七瀬くんはふらふらしながらも自力で立った。




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