クールで不器用な君。
翌日、学校に連絡を入れ、2人とも休むことになった。
俺はもうだいぶ完治してるし、学校に行けるけど、流石に病人を一人で置いていくのか可哀想だ。
いや、でも肝心の病人である山瀬さんはリビングに居る。
自分では『大丈夫、大丈夫っ。』とへらへらしながら言うも、顔は赤いし熱は下がってないし。
それに『寝るのは飽きた。』とリビングでごろごろしているし。
全くもって子供みたいになっている。
いつもの山瀬さんはどこへやら。
「七瀬くーん。」
お呼びのようだ。
ソファから顔を覗かせ、赤い顔でへらへらとした表情をしてる。
「何?」
「んとね?今更なんだけど、私のこと名前で呼んで?」
あぁ、やっぱり熱がある山瀬さんはおかしい。
「……。」
「藍ちゃん?」
俺が黙ると、いきなりそう読んで来る。
『ちゃん』はやめて欲しい。
「俺、いちよ男だし『藍ちゃん』はやめて。」
「えぇ〜。なら藍くん?それとも藍?」
「どっちでも。」
「なら…藍くん?」
「ん、瑠璃。」
「へへ、藍くんが名前呼んでくれたぁ……。」
そんなに嬉しかったのか、やま…瑠璃は最高に可愛い笑顔をみせた。
瑠璃って呼ぶのは慣れない。
いつもと違う瑠璃に調子狂いそうだ。