クールで不器用な君。
夕方、ある訪問者が来た。
「やっぱ七瀬が出て来たか。それより、瑠璃ちゃん大丈夫か?」
「あんたの脳内、瑠璃でいっぱいなのね……。瑠璃、可哀想に。こんな奴に思われてるなんて。」
「ちょ、なんだよそれ!悪いかよー!?」
佐伯と真中だ。
「とりあえず二人ともあがれば?」
二人をリビングに連れて行くと、瑠璃はあいかわらずソファにいる。
しかし、どうやら寝ているようだ。
風邪をぶり返さないようにタオルケットをかけた。
「七瀬、瑠璃ちゃん寝てるの?」
「あぁ。」
「寝顔見ちゃおっかな〜。」
「は?」
「七瀬〜、んな、顔すんなよー。」
なんとなく他の男に瑠璃の可愛い寝顔を見せたくないと思った。
瑠璃を独り占めしたい。
そんな感情すら湧き上がっていた。
すぐにかけてあったタオルケットを頭まで被せた。
これでよし。
「あらら、顔隠れちゃったわね。どんまい。」
「ちぇ〜。」