クールで不器用な君。





夜、真中に言われた通りハンバーグを作った。




瑠璃はおいしそうにそれを頬張り、大満足みたいだ。




「七瀬くん、ありがと。」




「いいえ。」



そういえば、呼び方戻ってる……。



やっぱりさっきのは熱の所為だったのか?




『七瀬くん』って呼ばれるのもいいけど、『藍くん』って呼ばれるのも良かったんだけどな。




なんて思ったりしてな……




「おいひぃ。」




「瑠璃」




「へぁ?……っな、い、い、今『瑠璃』って__」




「山瀬さんが言ったんだけど?『名前で呼んで。』って。」




「そ、そんなことを!?いつの間に……。」




あ、やっぱり覚えてないんだ。




「まぁ、言われたものはしょうがないし、これから『瑠璃』って呼ぶから。だから俺の事も名前で呼んでよ。」



「えっと……藍くん…?」



顔真っ赤だ。



2度も見られて結構ラッキーかも。



「ん。」



「や、やっぱ七瀬くん!」




「……。」




彼女にはまだ難易度が高いみたいだ。








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