クールで不器用な君。
「裕美ちゃーん!」
「わぁっ。」
学校に着くや否や裕美ちゃんに抱きつく私。
貰い風邪もすっかり良くなり、今日は学校に来ていた。
もちろん、七瀬くんも。
藍くんと呼ぶのは恥ずかしくてやめた。
いつもだけど、熱があるときってなぜか記憶が曖昧で、何か変なことしてないといいけどなぁ。
後から聞いた話だけど、私が寝ている間に裕美ちゃんと雄太くんがお見舞いに来てくれていたらしい。
ちゃんとお礼言わなきゃね。
「裕美ちゃん、お見舞いありがとう。」
「ううん。」
「瑠璃ちゃあああんっ!」
後ろからその声はして、いつの間にか抱き寄せられていた。
「ちょ、佐伯!瑠璃から離れなさいよ!」
「え、え!?」
「やだよ~だっ。」
「あんたどんだけ積極的になってんのよ。」
これって、私が裕美ちゃんにしていたことをされてるってことだよね。
「俺はこれからズカズカアタックしていくからね!」
「アタック……?」
「あ、七瀬だ。佐伯、危ないんじゃない?」
「何が?」
私が向いている方向からは見えないがどうやら後ろに七瀬くんが居るみたいだ。