クールで不器用な君。
なんとなくだけど黒いオーラを感じるのは気のせい?
「佐伯、どうして瑠璃を抱きしめてるわけ?」
雄太くんは私ごとくるっと回ると額に汗を浮かべた。
男子の力にかなうはずがない私はいまだ抜け出せず。
「いや~、別にいいじゃん?瑠璃ちゃんも嫌がってないし?」
「瑠璃、嫌じゃないの?こんな犬みたいなやつに抱きしめられて。」
「嫌ではないけど、恥ずかしいから離して欲しいかな。」
まぁ、友達としてだし嫌ではない……はず…だよね?
「嫌じゃないんだ……。へぇ。とりあえず離してやったら?」
「はいはい。」
ぱっと解放されると恥ずかしさはさっと消えて行った。