クールで不器用な君。
温泉から上がると、近くにあった自販機でスポーツドリンクを買って飲んだ。
すぐ横にあるソファでは瑠璃ちゃんと真中が居た。
「いい湯だったね。」
「ねー。なんか疲れが一気に吹き飛んだってゆーか。」
「雄太くん、七瀬くんって先に上がったの?」
「あー、うん。あいつのぼせちゃったみたいでさ。どっか涼みにでも行ってんじゃない?」
「七瀬くんって、なんか不思議な感じだよね。行動が読めないって感じ。」
好きな人が他の男の話ししてるってなんかヤダな。
こう、胸に何かが刺さる感じ?
「あのさ、この後少し外行かない?」
「うん。夜空みたいな。」
「あたしはパス。あたしは旅館内ぐるぐるしてるから。」
「そっか……。じゃあ二人で行こうか。」
え、マジ?
ちょー嬉しいんだけど。
てか、真中って、俺を応援してるのか七瀬を応援してるのかどっちなんだよ!
全く、こっちはこっちで謎な奴だ。
なにを考えているんだか。
とりあえず、二人きりになれるのは嬉しいけどさ。