クールで不器用な君。



「瑠璃ったら覚えてないの?あんなに仲良く遊んでたのにー」



七瀬くんが覚えていませんように。




「七瀬くんは覚えてるの?」



恐る恐る訊いてみる。



「ああ、覚えてるよ」



えぇ!?



なんで私だけ覚えてないんだろう。




「そうそう!あと、残念なお知らせもあるの」



「残念な?」




「あきさんなんだけど、実家に帰ることになったみたいで、辞めちゃうのよ」



「や、辞めちゃうの!?」




「えぇ、それで新しい人…って思ったんだけど、瑠璃も家事とかくらいは出来るでしょ?だから、もう要らないかな〜って」




確かに前々からあきさんのお手伝いもしてたから、ある程度は出来ると思う。



料理はあきさん程ではないけど。




「じゃあこれからは自炊するよ」




「なら俺と曜日交代でやる?俺も料理くらいなら多分出来るから」




多分って…………




「七瀬くんは洗濯とかやって欲しいな」



「そう?」




だってなんか出来そうでできなさそう




勝手に決め付けるのはよくないけど、とてつもなく不安だから。




って、もう既に七瀬くんとの二人きりの生活計画が立っている気がする……。
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