クールで不器用な君。





「七瀬くん、お待たせ。」




「ん。」




今日は七瀬くんも浴衣姿。




とても様になっていた。





「瑠璃、いつもより大人っぽい。すごく似合ってる。」




「……ありがとぅ。」




嬉しい。



前に雄太くんにも可愛いって言われたけど、そのときとはまた違う嬉しさが脳内を駆け巡る。




「七瀬くんも似合って……ます。」




「なんで敬語?まぁ、とりあえずありがとう。」




「そろそろ、行こ?」




「んー。」




二人並んで歩き、辿り着いたのは大きな川のほとり。




近くには提燈の光がともした屋台が並んでいる。




屋台は旅行のときにも行ったからいいかな。





待ち合わせをしていた裕美ちゃんと雄太くんと合流すると花火の良く見えるところへ座った。





「花火って何時からだっけ?」




「確か8時からだった気がする。」




「ならあたし飲み物買ってくるわ。皆何がいい?」




「俺コーラ!」




「私はお茶で。」



「俺は何でもいい。」




「りょーかい。んじゃちょっと待ってて。」





裕美ちゃんはそそくさと飲み物を買いにどこかへ行ってしまった。





裕美ちゃんはいつも唐突にいなくなってしまう。





私と七瀬くんと雄太くんの三人。





何話したらいいのかな。






「……。」





「………。」





「あ、あのさ!瑠璃ちゃんって俺と七瀬のどっちが好き?」





「ほぇ?」






急に変なことを聞いてくるもんだから変な声を出してしまった。






「なっ……えっと……ど、どっち?」





「おい、瑠璃が困ってるだろ。」






「ごめんごめん。」




そう言いつつも雄太くんの表情は少し曇った。












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