クールで不器用な君。





俺は直球でそう告げた。





それを聞いた彼女は、なんて返事をしたらいいのかわからなそうにオロオロとしていた。





彼女からの答えは出ない。





ってことは、もう返事は決まっている。





いや、告白する前からわかってはいたんだけどな。






「あのね……私は、雄太くんの事好きだよ?でも、それは友達としてで恋愛的な意味じゃないと思うの……だからその」





「ちょっと待った。」





彼女はそう遠まわしに「ごめんなさい」と言おうとした。





でも、何だかそれを言われるのが嫌で言う前に止めた。





「へ?」





「うん、わかったから。俺とは付き合えないってことだよな。」





「えっと……、うん。」





「まあ、そうだよな!瑠璃、七瀬のことが好きなんだろ?」





「っ……はい。」




彼女は恥ずかしそうに下を向いた。





「俺、応援する。七瀬に取られるのは何か気にくわないけどさ。」





「ありがとう。」





「ってことで、これからも友達としてよろしく。」





「うん!」





最後に元気よく返事をした彼女を見れただけで十分だった。












俺の恋は終わったんだ。










なんかあっけなく終わったな~。







いっか。






こういうのも悪くないかなって思っちゃったりして。








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