クールで不器用な君。
「ごめん……ね?」
「いいよ、別に。それより俺、今告白したんだけど。返事聞かせてよ。」
「あ、うん…。私も、『藍くん』のことが好きです……。」
瑠璃が『藍くん』とさりげなく名前で呼んでくれたことに親近感が湧いた。
「ん。」
待てよ?
告白した→OKされた→で?
どうすればいいんだ?
「……。」
「……。」
沈黙……。
「……キスでも、しとく?」
「えぇ!?」
「嫌?」
「嫌じゃ……ない。」
瑠璃に近づくとそっと肩に手を添え顔を近づけた。
ぎゅっと瞑られた目。
ちゅ。
小さなリップ音。
顔を離し目と目が合う。
やばい、恥ずかしい。
咄嗟に腕で赤くなった顔を隠した。
「っ……。そ、そうだ。あとこれ。」
握っていたビーズの指輪を瑠璃の小指にはめた。
小さい頃の物だから、当然大きさも小さくて、今となってはピンキーリング程度の大きさ。
「これ……。」
「小さい頃に貰った指輪。いつかちゃんとしたの渡すから、今はこれで我慢して。」
「ありがとう。」
そういってほほ笑む姿が何より愛おしい。
こうして俺らは付き合うことになった………?
でも、帰ったらどう接したら良いんだろ。
こういう時に同居している俺らは不便かもしれない。