クールで不器用な君。




乗り物を片っ端から乗って行くも、さすがにそろそろ体力的にも限界。






二つのベンチのそれぞれ座りほっと一息。







「疲れた。」






「だね。なんかのど乾いてきちゃった。」






「あたしものど乾いたなぁ。」






「俺も俺も。」






「あ、なら私達が飲み物買って来るね。二人は何がいい?」




ハッとしたようすで、瑠璃ちゃんが言った。



「いや、俺が買ってるくよ」



流石に女の子をパシるのはねぇ?



「雄太くんと裕美ちゃんはゆっくりしてて!藍くんと行ってくるから!」




「え、でも悪いし……」




「なんでコイツと」



「いいからいいから、ね!?」




「……瑠璃がそういうなら。じゃああたしは紅茶。」






「俺はコーラで。」






「了解です。藍くん、行こう?」




「う、うん?」






気を利かせてくれたのかそうでないかは定かではないけれど、瑠璃ちゃんはボーっとベンチに座っている七瀬の手を取ると、人混みの中に消えて行った。





七瀬は全く分かってなさそうだったけど。





それにしてもこの空間をどうしようか。




二人が居なくなった途端に俺達の間に会話はなくなった。





「なぁ、真中。」





「なによ。」





「真中って好きな人居るのか?」






「何よ急に。まぁ、いない……けど。どうしてそんなこと聞いてくるの。あんた、本当は瑠璃のことまだ好きなんじゃないの?」





真中は、少し俯き気味にそう言った。





「もう好きじゃないよ。」





「そう、なの?」




驚いた顔で俺の方を見つめてくる真中の頬はちょっぴり赤かった。





もしかして今の今までまだ俺が瑠璃ちゃんの事好きだと思ってた感じ?








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