クールで不器用な君。
私は瑠璃と七瀬と佐伯の4人で遊園地に来ている、
でも、今はなぜか目の前に佐伯が座っている。
ここ一か月、こいつは私にまとわりついてくるようになった。
まるで従順な番犬のように。
まぁ、私がいいって言ったからなんだけど……。
別に、佐伯のことなんて好きじゃないはずなのに、うまく顔を見ることが出来ない。
それどころか、話すだけで胸が苦しくてたまらない。
この一か月で今まで私が見たことのない、アイツのいろいろな表情を見てきた。
笑った顔、いじけた顔、しょんぼりする顔、優しく微笑む顔…………
アイツは今でも瑠璃の事が忘れられないんだろうか。
そう思っていたのに、アイツはきっぱり違うと言った。
親友の恋が実ればそれでいい。
恋なんて私には無縁なんだって。
でも、どうしてこんなに胸が苦しいのか、ドキドキするのかわからない。