クールで不器用な君。
放課後、授業が終わると直ぐに教室を出て行ってしまう藍くん。
こんな日が続いてはや1か月半が経とうとしていた。
まぁ、毎日ではないけれど、大半はこんな感じ。
「裕美ちゃーん………。」
「ま、まぁ、七瀬にも事情があるんでしょ。」
「でも……1か月くらいずっとこんな感じなんだよ?」
さすがにつらい……。
「そうだ、今日は気晴らしに喫茶店にでも行かない?」
「うん………。」
気落ちしつつも裕美ちゃんに連れられ、とある喫茶店に来てい居た。
とてもかわった喫茶店。
”魅惑の執事喫茶~あなたの疲れを癒します~”
し、執事喫茶??
「ここ、一度でいいから来てみたかったのよね。」
メイド喫茶って言うのは聞いたことあるけど………
執事ってことは、男の人が居るの?
「でも、裕美ちゃんには雄太くんが____。」
「あぁ、大丈夫大丈夫。入ればわかるわかる。」
背中を押され、店内に入ることに。
「おかえりなさいませ、お嬢様。」
執事の格好をした彼は満面の笑みで私たちを出迎えた。
そう、普段めったに見せないような満面の笑みで。
「藍……くん?」