クールで不器用な君。
時間が経つのは早いもので、今日は土曜日。
浮かれ気分な私。
昨夜、藍くんはバイトから早く帰ってきた。
『明日、出かけるよ。』
『どこに?』
『それは内緒。』
どこに行くかはわからないけれど、久々に二人でお出かけできるんだもん。、
どこでもいいや!
クローゼットからお気に入りの洋服を取り出し着替える。
髪も少し巻いたりしてみる。
一緒に家を出ると、藍くんは当たり前のように私の手を取り一歩先を歩き出す。
藍くんの私服も少し見慣れ始めちゃっているけれど、それでもやっぱりかっこいい。
そうして連れられてきたのは動物園。
いろんな動物を見て回った。
藍くんも今日は凄くニコニコしてて、とても楽しい。
夕方、動物園を出て帰るのかと思うと、家の方向とは逆にある浜辺までやってきた。
私たち以外誰も居ない浜辺は、静かな波の音だけが響いていた。