クールで不器用な君。




授業が始まるとともにいつも通り音楽を聞こうと______




あ、イヤホン忘れた。




朝急いできたせいだ。




なら、寝るか。




机に腕を組み顔を伏せる。





しばらく空を眺め、不意に山瀬さんの方を向くと、彼女は真面目に授業を受けていた。





授業なんて真面目に受けてどうするんだろう。





じーっと見つめていると視線に気づいた山瀬さんと目が合う。




驚いている感じだった。




そりゃそうか。





すると、何かくちぱくで俺に訴えていた。




授業………は、真面目に…受けな…きゃ…ダメ…だよ。




…………ね。



『い、い、の。』



そう返す。




ムスッとした顔をしながら黒板の方に向き直ってしまった。




そんなところが少し可愛いと思ってしまったのは内緒だ。







< 31 / 269 >

この作品をシェア

pagetop