クールで不器用な君。
授業が始まるとともにいつも通り音楽を聞こうと______
あ、イヤホン忘れた。
朝急いできたせいだ。
なら、寝るか。
机に腕を組み顔を伏せる。
しばらく空を眺め、不意に山瀬さんの方を向くと、彼女は真面目に授業を受けていた。
授業なんて真面目に受けてどうするんだろう。
じーっと見つめていると視線に気づいた山瀬さんと目が合う。
驚いている感じだった。
そりゃそうか。
すると、何かくちぱくで俺に訴えていた。
授業………は、真面目に…受けな…きゃ…ダメ…だよ。
…………ね。
『い、い、の。』
そう返す。
ムスッとした顔をしながら黒板の方に向き直ってしまった。
そんなところが少し可愛いと思ってしまったのは内緒だ。