クールで不器用な君。
テストと駆け引き
テストまで残り一週間になった今日。
勉強をする人はする、しない人はしないという教室の雰囲気。
授業合間、裕美ちゃんは後ろを向き、私と
お喋り。
「瑠璃〜、あたし勉強とかしたくなーい。」
「でも、勉強しないで赤点とった後の追試の方が嫌じゃ無い?」
それに、追試だけじゃなくて夏休み中の補習にも呼ばれるらしい。
「うーん、やっぱその方が嫌ね…。」
「そうそう、だから勉強して、いい点とらなきゃ。」
「なら、皆で勉強会でもしない?」
勉強会…か。
分からないところとか教えあえるしいいかも。
「うん。いいね。あ、でも誰誘う?」
「そりゃあ、主席で学年1、頭の良い七瀬を呼ばない訳が無いでしょう。まぁ、あとは佐伯も仕方なく呼ぶことにするわ。」
なんか雄太くんおまけ扱いになってる。
ちょっびり可哀想かも。
でも、何だかんだ佐伯くんのこと良く思ってるんだなぁ。
「そうだね。」
「ってなわけで七瀬、明日勉強会するから来なさいよ。場所は瑠璃の家ね ♪」
ダルそうな表情をしながらも彼は頷いた。
これは七瀬くんなりの返事。
でも…私の家?
七瀬くんと一緒に住んでるってバレちゃうんじゃ………
一瞬血の気が引いた。
「瑠璃、あとで佐伯にも言っといてね。あいつ瑠璃に言われたら絶対来ると思うしね。」
「あ、うん。了解です。」