クールで不器用な君。
駅に着き辺りを見回す。
すると、探していた人物は私に向かって大きく手を振っていた。
「瑠璃ちゃーん!」
直ぐにその人の元へ行く。
「遅れてごめんね。」
「ううん。5分前だよ。俺が早く来ただけだから。」
「そっか、ならよかった。」
「なんか今日、いつもに増して可愛いね!」
彼はほんのり頬を紅潮させながら言った。
言われなれないことを言われるとやっぱり恥ずかしい。
「……ありがとう。」
すると、急に眉を下げ話し始める。
「いや、なんかごめんね。」
「何が?」
いきなり何を言われるかと思ったらそれは謝罪の言葉だった。
「ほら、この間いきなり『全教科80点以上取ったらデートしてくれ。』なんて。まさか取れると思わなかったよな。俺前回赤点多かったし。」
まぁ、確かに前回赤点だったとは思わせることのない点数だった。
「うん。まぁびっっくりはしたかな。」
「だよなぁ。で、今更だけど嫌じゃないか?俺と二人きりで出かけるなんて。しかもこんなの一方的で強引だよな……。本当にごめん。」
そこまで言われるとなんか申し訳なくなってしまう。
「ううん。嫌じゃないよ。だって、『友達』なんだよね、私たち。」
「そか。安心した。んじゃ、そろそろ行くか。」
こうしてドキドキのデート(仮)?は始まった。