クールで不器用な君。






雄太くんに「どこ行くの?」と聞くも「内緒。」とだけいい、私は黙って着いていく。






しかもいつの間にか手も握られていた。





電車に乗って3駅目で降りた。





そして着いたのは最近新しく改装されていた水族館。





入場券を買うと中に入りいろいろとまわった。





「綺麗……!」





水槽のガラスにへばりつくように見つめる先には沢山の魚たち。






大きい魚から小さい魚、アザラシにペンギン、それにシロクマまでいるのだから。





久しぶりに来た水族館に私は興奮していた。





「雄太くん!シロイルカ見に行こう!」





「ははっ。瑠璃ちゃん楽しそうだね。小っちゃい子みたいに目が輝いてる。」





「んな!」



ぷくっと頬ふくらませば、その膨らんだ頬を触ってくる。




「かーわいぃ。」




「もう!」





雄太くんは何気に意地悪なんだとわかった。




「シロイルカ見に行くか。」





そっと繋がれた手を振りほどこうなどとは思わなかった。





こんな風に好きでもない男の子と手を繋げてしまうのは水族館に来て興奮しているせいなのかもしれない。






どこかから彼が見ていることも知らずに私は______






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