クールで不器用な君。
二人が居なくなったあと、せっかくだからと水族館を見て回った。
すると、アナウンスが流れた。
『これより、水上ステージにてイルカショーを行います。……」
と。
行ってみようかな……。
そのまま水上ステージに行くと、それなりに人が来ていた。
近くの席に座り始まるのを待った。
すると、人が近づいてきた。
「あの、隣座ってもいいですか?」
「あ、は……い。」
そういいながら少し振り返るとそれは佐伯と山瀬さんだった。
「は?え?なんで七瀬?」
「っえ?七瀬…くん?なんでこんなところに……。」
「えっと……友達と来たんだよ。んではぐれちゃってさ……。」
「いや、お前ほかに友達居たっけ?」
「………。」
その通り
いつも一人でいたせいか女子に騒がれることはあるがこれといって友達と呼べる人は少ない。
二人は隣に座る。
俺の隣に座らせたくないのか、隣は佐伯だった。
「んで、なんで七瀬がここに……?」
「別に。どうでもよくない?ただ俺は来たいと思ったから来ただけだし。」
さすがに尾行してましたなんて言えない。
「一人で?」
そこ言う?
「だから?」
「ふーん。悲しいやつだな。まぁいいや。とりあえず俺らの邪魔だけはすんなよ?」
「はいはい。俺これ観終わったら帰るし。」
「え、帰っちゃうの?」
佐伯の後ろから顔を覗かせ言う山瀬さん。
かわいい…。
って、はっ!
俺今……
「あぁ、うん。一通り回ったから。」
嘘。
「そっか。」