クールで不器用な君。
それから1時間後のこと。
「よし、できた。」
「七瀬くーん。できたよー?」
「……。」
エプロンを外すとソファに近づいた。
「七瀬くん…?」
「ん。」
むくっと起き上ると、とろんとした瞳で私を見つめる。
「ご飯できたよ?」
「ね、佐伯にキスされたのってどこ?」
「え?」
あ、そういえばキス…されたんだ。
頬だったけど。
今頃になって恥ずかしさがやってくる。
「ねぇ。」
「……左の頬…だよ。」
「ちゅ。」
「へ?」
今……頬に……。
「ご飯。」
何事もなかったかのように席に着く七瀬くん。
一体、なんなのでしょうか。