クールで不器用な君。



放課後の教室。



あたしは職員室に行った瑠璃の帰りを待った。



皆部活、もしくは下校をして行った。



教室に残ったのはあたしと七瀬。



静かな教室で、先に口を開いたのは七瀬だ。



「あのさ…。」




「何よ。」





「恋ってなに?」




はぁ!?



いきなりそんなこと聞いてくるんだからびっくりだ。



「はぁ…。恋ねぇ。」



「ん?」




「その人を見るとドキドキしたり?あと、その人が別の誰かと仲良くしてると胸が痛くなったり…とか。」




なんだか自分で言うのが気恥ずかしかった。



それにしても、こいつも大概鈍感ね。



いや、天然?



瑠璃もだけど。



「ふーん。」



いやいや、聞いておいてその反応って……



七瀬は窓の外を見るとほんの少し柔らかい表情を見せた。



「そっか…これが恋…...ねぇ。ふーん。」


小声でそう言った。



こいつ、笑えばモテるのに……



いや、笑わなくてもモテてるか。



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