クールで不器用な君。
重いプリントを持ち教室まで来ると、既にほとんどの生徒が、部活または下校していた。
唯一残っていたのは裕美ちゃんと七瀬くん。
「瑠璃遅いじゃない!ってなにその荷物。」
「数学の先生に頼まれちゃって。」
裕美ちゃんは、はぁ…。と大きくため息をつく。
「なら、手伝おうか?いや、手伝わなきゃか。俺一応係りだし。」
「七瀬くんだったんだもう一人って。」
「まぁ。」
「なら、あたし帰るわ。お邪魔しちゃ悪いしね。それに、どうせ二人の帰る場所は同じだしね〜。」
鞄を持つとそそくさと教室からいなくなってしまった。