memory
五日目
地元から電車で乗り継ぎを繰り返して歩いて、時計は3時になっていた。堺は僕が住んでいる場所より遥かに田舎だった。新しい建物はないし、スーパーはおろか、コンビニ1つすらもなさそうだ。
僕以外に歩いている人が少ないのは、朝だからという理由だけではないだろう。
30分くらい歩いて資料に書いてあった住所に到着した。どうやら住宅街である地域から家を探すのは少し手間取ってしまったが、【村上】と書かれた表札を見て確信した。
「村上さーん。」
インターホンがないので、とりあえず叫んでみる。だけど返事がない。もしかすると、誰もいないのだろうか。
その時、隣の家から30代くらいの女性が出てきた。おばさんは僕を見るとゆっくりと近づいてきた後、話し始めた。
「あら?あなた、村上さんのお知り合い?」
「あ、いえ。村上さんに用事があって来ました。」
「そう。村上さんならずいぶん前から総合病院の方に入院してらっしゃるわよ。知らなかったの?」
「あ、はい。知りませんでした。わざわざありがとうございます。」
「いいえ。もしお会いになるなら村上さんによろしくね。」
彼女が完全に家に入るのを見て、総合病院へ向かった。
僕以外に歩いている人が少ないのは、朝だからという理由だけではないだろう。
30分くらい歩いて資料に書いてあった住所に到着した。どうやら住宅街である地域から家を探すのは少し手間取ってしまったが、【村上】と書かれた表札を見て確信した。
「村上さーん。」
インターホンがないので、とりあえず叫んでみる。だけど返事がない。もしかすると、誰もいないのだろうか。
その時、隣の家から30代くらいの女性が出てきた。おばさんは僕を見るとゆっくりと近づいてきた後、話し始めた。
「あら?あなた、村上さんのお知り合い?」
「あ、いえ。村上さんに用事があって来ました。」
「そう。村上さんならずいぶん前から総合病院の方に入院してらっしゃるわよ。知らなかったの?」
「あ、はい。知りませんでした。わざわざありがとうございます。」
「いいえ。もしお会いになるなら村上さんによろしくね。」
彼女が完全に家に入るのを見て、総合病院へ向かった。