True Love




…あれ…気づくと辺りはすでに真っ暗

職員室の明かりも消えてしまっている


あわてて、携帯で時間を確認すると
9時15分を示していた

『え!…もうこんな時間…早く帰らないと…』


そう思って出てきたのはいいんだけど
…辺りはほんとに真っ暗。


特別暗いところが苦手なわたしにとって
一人で帰るなんて無理な話で…


『お母さんに電話しよ…』

携帯を見ると充電は残りほんの少ししかない…

一回くらいしか電話できないな…


プルルルルルル プルルルルルル プルルルルルル

なんで、出ないんだろ…

ガチャ こちらは ツー ツー

出なかったな…お母さん。
あ、、、、そういえば、今日は仕事で帰りが遅くなるんだっけ…

最悪だ…
もうきっと電話もできないし…
他に頼れる人なんて…


…日向…


前までなら頼ってた
でも今は…頼っていいのかわからない


だけど



こんなの、、、一人でかえれるわけがない…

電話帳のか行

風魅 日向

…もしも来てくれたら…すぐに謝ろう…


プルルルルルル プルルルルルル プルルルルルル ーーーー



え?…あ、、、
無情にも電源が落ちてしまった…


目の前の暗闇を見る…


怖い…


怖いけど…帰るしかない…


街灯から街灯まで少し小走りで走りながら


少しずつ…少しずつ
歩いて進んだ…


日向…


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