あなたへ。
3-3
それから、
私と彼は北海道に戻る。
一から始まった彼との生活。
そこにあるのは幸せ。
それだけ。
私は幸せ。
絶対。
彼は毎日仕事に出かけ、私はそれを見送る。そして掃除。不慣れな私は家の中を掃除するだけで一日が終わる。すべてが片付いたころに彼が帰宅。それから、彼と私は一緒に買い物に出かける。アパートに帰ると彼と私は食事を作る。狭いキッチンに一緒に並んで、ときどき肩をぶつけ合って夕食を作る。
毎日がそんな感じ。
何処でもある普通の光景。それでも彼と私は幸せ。
一日一日がゆっくりと、そして、すぐに過ぎていく。
朝はは少しずつ暖かくなって、
夏は涼しくて、それでも窓を開け、彼と星を見て、
秋は寒くて、すぐに雪がちらつき始めて、彼と肩を寄せ合って、
冬は雪が積もって、毎日雪かきをして、一緒に汗をかいて、
そして、遅い春がきて、遅い桜を二人で見て、
そして、そして、
そして、