切美
剛は身をひるがえすと、洗面所にむかって走りだした。
すると足の感覚が急になくなって、いきおいよく転んでしまった。
どうやら剛の考えは読まれているようだった。
頭がぼんやりとしてきて、全身の感覚が薄れてきた。
やばい。のっとられる。
しかしは剛は力をふりしぼって、畳の上においていたウェットティシュを使い、それで顔の化粧を急いでぬぐいとった。
全身の感覚がもとにもどってきた。
思ったとおりだ。
どうやら化粧をしていなければ、切美は弱まるらしい。