それでも僕は君を離さないⅡ
貸切りバスに乗り込んだ。

かなり大型のバスだ。

私の席は左半分の後方だった。

隣の席は他部門の男性だ。

「庶務の藤井です。よろしく。」

「資材の樋口です。」

座席が埋まり

出発時間になった。

「朝早いと眠いよな。」

「そうですね。」

「昨日は残業でさ。キツいっすよ。」

「それはお疲れさまでした。」

藤井さんは高速道路にのる前に寝入ってしまった。

私は左の窓から外を眺めた。

流れる風景は眠気を誘うものだと思い

一方で坂下さんもこの旅行に参加していることに

少し気まずい感があった。

背もたれに体を預けて私も目を閉じてウトウトした。

突然の爆音と誰かの悲鳴を耳にして目を開けるまで。

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