それでも僕は君を離さないⅡ
「奈々!」
彼女は割れた窓ガラスに突っ伏したまま
俺の呼びかけに反応がなかった。
隣の席の男はベルトをしたまま足元に丸まっていた。
俺は奈々のシートベルトを外して
今は床になった窓に両足を踏ん張り
彼女の体をゆっくりと持ち上げた。
意識がない人間がどれ程重たいものかを噛み締めた。
頭を打っていると思い
なるべくそっと抱きかかえた。
俺はまた座席をまたぎながらバスの前方へ向かった。
彼女は割れた窓ガラスに突っ伏したまま
俺の呼びかけに反応がなかった。
隣の席の男はベルトをしたまま足元に丸まっていた。
俺は奈々のシートベルトを外して
今は床になった窓に両足を踏ん張り
彼女の体をゆっくりと持ち上げた。
意識がない人間がどれ程重たいものかを噛み締めた。
頭を打っていると思い
なるべくそっと抱きかかえた。
俺はまた座席をまたぎながらバスの前方へ向かった。