それでも僕は君を離さないⅡ
坂下がヨロヨロと揺れて立っていた。

「ここから出られる。」

彼は横倒しになってボロボロの

半分外れかけたバスのフロントガラスを足で蹴った。

先に外に出た彼はよろめいて路上に倒れた。

俺は奈々を両腕にしっかりと抱き

窓をまたいだ。

割れたガラスが地面に無数に散らばってキラキラしていた。

遠くからサイレンの音が聞こえてきた。

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