それでも僕は君を離さないⅡ
奈々は意識が戻らず

ICUに入ったまま数時間が経った。

他の社員も腕や足を骨折したり

多くは打撲傷や切り傷を負った。

バスが高速道路を走行中は

俺と坂下以外の全員がシートベルトを着用していた。

シートから放り出されたのは俺と彼だけだった。

坂下は全身を強打して

搬送された救急病院のベッドから起き上がれない状態だ。

俺は一応CTで全身をスキャンされたが異常はなく

幸いにもあちこちの打ち身は軽い方だったが

骨や筋肉の痛みは耐えがたく

歩くのにも普段の数倍エネルギーが必要だった。

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