それでも僕は君を離さないⅡ
坂下の病室へ寄った。

「リーダー笹尾。」

彼は俺をそう呼んだ。

「奈々はどう?」

「切り傷がまだ生々しい。」

「そうか。いつ退院?」

「わからない。」

「どうして?スキャンで異常はないんだろ?」

「精神的なショックらしい。」

「そうか。」

「で、肋骨のヒビの具合は?」

「僕は明日退院だよ。車イスかも。」

「無理するな。」

「君にまだ礼を言ってなかった。」

「礼?」

「ありがとう。あの時必死に声をかけてくれて。」

「いや、あの時は誰もが必死だった。」

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