それでも僕は君を離さないⅡ
翌日私は看護師から心療内科の先生に診てもらうことになっていると言われた。
たぶん何かアドバイスをもらえるのかもしれないと思い
呼ばれるまで私なりに気持ちの準備をしておきたかった。
私はふらつかずに歩けた。
病棟から階下の診察室へ案内された。
ミドル・グレーのがっしりとした先生は
深みのある低い声で言った。
「初めまして、精神科医の笹尾です。」
偶然にも彼と姓が同じだ。
それだけで私はなぜか安心感を持てた。
「何でも好きに話してください。聞いていますから何でも。」
「先生、私は大切な人を忘れてしまったんです。その人を苦しめたくないんです。私にできることはないでしょうか?」
「たくさんありますよ。」
「本当ですか?」
私は先生の言葉にすがり付きたかった。
たぶん何かアドバイスをもらえるのかもしれないと思い
呼ばれるまで私なりに気持ちの準備をしておきたかった。
私はふらつかずに歩けた。
病棟から階下の診察室へ案内された。
ミドル・グレーのがっしりとした先生は
深みのある低い声で言った。
「初めまして、精神科医の笹尾です。」
偶然にも彼と姓が同じだ。
それだけで私はなぜか安心感を持てた。
「何でも好きに話してください。聞いていますから何でも。」
「先生、私は大切な人を忘れてしまったんです。その人を苦しめたくないんです。私にできることはないでしょうか?」
「たくさんありますよ。」
「本当ですか?」
私は先生の言葉にすがり付きたかった。