それでも僕は君を離さないⅡ
俺は奈々のことが頭にこびりついて

毎夜眠れなかった。

仕事に没頭し

がむしゃらに働いて

帰りにジムで軽く動いてから

傷めた筋肉をほぐしてもらい

くたくたの状態でベッドに倒れこんでも

ダメだった。

うとうとできても悪夢で目が覚めた。

夢の中で彼女が俺にさよならとつぶやき

目の前からすっと消えてしまうのを

テープを巻き戻したように

何度も繰り返し見た。

いっそ気が狂えたらとさえ思った。

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