それでも僕は君を離さないⅡ
奈々はICUに運ばれた。

計器類は正常だが意識はなかった。

「私が残りますのでラボへ戻っていいですよ。」

医務室の社員は元看護師だと言った。

「私がついてますので社へ帰られてください。」

「わかりました。」

何もできなくても俺は奈々のそばにいたかった。

何も知らなくても

今の俺にはこの元看護師が非情な女としか思えなかった。

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