それでも僕は君を離さないⅡ
夕方早くに出先から戻り

僕は資材室へ行った。

この時間は誰もいないだろうと思いきや

用のないはずの笹尾がいた。

「奈々は事務室じゃないのか?」

「坂下、嫌味なヤツだな。」

「検査医がここに用があるとは思えないね。」

「あいにく主任の言い付けで立派な用があるんだ。」

「久保主任のお気に入りじゃ仕方ないな。」

お互いに軽く笑い合った。

「肋骨はもう完治した?」

「大丈夫。そっちはどうなの?密かに鍛えていても全身打撲はかなりのダメージだったろ?」

「あっはっは。」

笹尾は軽やかに笑った。

「なにがおかしい?」

「坂下、本当にイヤなヤツだ。」

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