それでも僕は君を離さないⅡ
α.想定外の社員旅行
俺たちが乗ったバスは

新しい高速道路を走行中事故に巻き込まれた。

それは凄まじい轟音で始まった。

けたたましい悲鳴が耳に響いた。

俺の体が座席から一瞬浮いた。

ハッと気づいた時には

辺りは何もかもメチャクチャの有り様で

俺はバスの残骸の中になすすべもなく横たわり

宙のどこかに目をやって

ただ息をするしかなかった。

「くっ。」

声にならない苦痛に耐えた。

全身打撲とガンガンするだけの頭で

自分が置かれた状況をなんとか飲み込み

はっきりしない目で回りを見た。

俺の下敷きになっているヤツがいた。

坂下だった。

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