雨のち晴れ
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「お邪魔します…」
紅葉を楽しんだあとは、正樹の家へ3回目のお宅訪問。
「はぁー、疲れたなぁ。人多かったもんな。紗子、ゆっくり休んでいいぞ。」
「うん。」
相変わらず綺麗な家。そして木の家具が本当に落ち着く。
私はソファへ深く座った。
久々の外出。正樹が言うように、身体的にも精神的にも少し疲れてしまった。
座った途端、睡魔に襲われる。
あ、やば……
「紗子、なんなら少し昼寝していいぞ?」
「大丈夫。」
「んな、目トロンとさせて言うなよ。相当、その顔誘ってるからな?」
「え?」
「あぁ、こっちの話。」
正樹は寝室の方へ向かい毛布を持って来てくれた。
「俺、ちょっと夜飯の買い出し行ってくるから。夜飯は任せといて。」
「でも…」
夜ごはんは正樹がご馳走してくれることになった。どうしても私に作りたいメニューがあるらしい。
だからこそ、買い出しまで一人で行かせてしまうのは申し訳なかった。
「伯父さんのこともあったし、ここ数日、紗子疲れてるだろう?そもそも今日誘ったのも俺なんだから、気にすんな。」
正樹は優しく笑って、私に毛布をかけてくれた。
すっかり冷えた身体が、温まるような気がした。
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」
私は毛布にうずくまる。
こうやって誰かが傍にいてくれる安心感。ホッとして、安心して眠れられる。
ここ数日は、寝ても疲れが取れなかった気がしたから。
精神的にしんどかったんだと思う。