雨のち晴れ
「なんか、色々繋がった。そりゃ、そんなもん見たら、確信犯だと思っちまうよな。」
「……。」
「さすがに宝石は…な。あー、ごめん。俺が軽率だった。」
「そんな…正樹は何も悪くないよ。」
全ての誤解が解けた。
やっぱり全部私の思い込みで、正樹のことを信じ切れなかった自分が悔やまれる。
「ごめんね、正樹のこと、信じてたのに。」
「紗子が謝ることじゃない。」
正樹は優しく笑って私を抱き締めた。
「俺のこと、真剣に考えてくれてありがとうな。」
「正樹…」
あ、もうまた泣きそうになってしまった。
正樹のこの温かさは、本当に魔法。どんなものにもかなわない。
「ごめんね…本当にごめんなさい。」
「紗子、もういいから。素直過ぎて、なんか俺の方が調子狂うよ。ていうか歯止め効かなくなりそうだから…」
「え?」
「あ、いや、こっちの話。」
私はしばらく正樹に身体を預けた。
もう、大丈夫。
正樹のこと、信じる。
何があっても。
「あ、紗子。」
しばらくして正樹が囁くように言った。
「1つ、まだ誤解がある。」
「え?」
もう誤解はすべて解けたはず―――
正樹はコソッと内ポケットから何かを取り出した。