雨のち晴れ



いつの間にか梅雨は明け、厳しい暑さが続く毎日。

体のだるさからも、胸の苦しさからもようやく解放されたような気分。

「やっぱり梅雨はダメね。」


もうすぐで大学の定期試験が始まる。

大学生にもなってこんなにガリ勉をしている子はいない。
みんな遊びやサークル、恋愛、それぞれを自由に楽しんでいる。

でも私には、それが客観的に見てあまり『自由』には思えなかった。

例えば気分が優れなくても、その周りのテンションに合わせないといけなかったり、ごちゃごちゃした人間関係に付き合わないといけなかったり。

それって本当に自由なのだろうか?

でもそれが普通なのだろうか?

自分の好きなように、思いのまま生きることは難しい?

「こんなのただのワガママか。」


私には、分からない。

大学生になって、分からないことが増えた。
グレーの部分が多くなった。

これも成長なのだろうか。


屁理屈ばかり言っている自分にも嫌気がさす。


こんな時、マスターがいてくれたら、と思う。

きっとマスターなら答えをくれる。

私のことを、包み込んでくれる温かさが、マスターにはある。



普段、週5でしているバイトも、テスト前だけ週3に減らした。



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