雨のち晴れ
朝、蝉の大合唱から目を覚ます。
…暑い。
今日は朝から、大学の図書館でレポートを仕上げようと決めていた。
洗面所で自分をボーっと見る。
秋で21歳。なんか年取ったな、と思う。
髪は染めていない、生まれつき色素の薄い明るい髪はショートボブ。
染めていなくても美容師さんには、綺麗な色と髪質だね、と言われる。
少しは焼けたいのに、日焼けしにくい白い肌。
あと3センチ欲しかった身長は、157センチ。
顔のパーツは、どうだろう、普通か。
年をとっていずれはヨボヨボになる。なんだか今朝はそれが滑稽に思えた。
シャワーを浴び、朝ごはんの準備。
と言っても、トーストとインスタントコーヒー。
一人暮らしを始めて、自分の人生に初めて趣味が出来た。
それは、料理。
今までモノクロだった世界が初めて色づいて見えた。
もちろん、マスターとの世界とは別に考えて。
ただ、朝はいつも軽め、だいたいこんな感じ。
薄く化粧をして、部屋を軽く整え、家を出た。
やっぱり暑い、今年は猛暑だろうか。
出勤ラッシュは避けたいから、それを見越して少しだけ遅くする。
と言っても、やっぱり人は多い。