雨のち晴れ



今から何か食べてしまっては、夜ごはんが食べれなくなる。


「…って。」

私、何気にアイツと夜ご飯行く気なの?

そんな、まさかね。
たまたま今、そんなことを思ってしまっただけ。

もうだめだよ、必要以上に人と関わるのは。傷付くのは自分自身じゃない。

大丈夫、今なら間に合う―――

私は交流館を出て、駅へと向かった。


「……。」

と言っても、本当にここはどこだろう?

何しろ路線が多すぎる、どれに乗って帰るんだろう?
乗り換え、しなくちゃいけないんだっけ?

私は構内をフラフラと彷徨う。

あーもう、こんなことになるなら、ついて来なければ良かった。

午前中の私は、本当に頭がどうかしてた。


帰宅ラッシュの時間帯になってきたのだろうか。

朝よりも人が増えてきた。


「……う」

やばい、なんかふらふらしてきた。

そう言えば今日は水分すら、ロクにとっていない気がする。


ドンッ―――
通行人の人とぶつかり、ついに私はバランスを崩しそのまま倒れそうになった。

あ、倒れる、とぎゅっと目を瞑り、覚悟をした時だった。



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